プロメテウスプロジェクトより Universal Unbricker/Downgrader 、PANDORA'S BATTERY が
リリースされました。以前に
こんな記事を書いたことがありますが、これを応用したツールのようです。
このツールを使用すると、Flash の書き換えに失敗して Brick した本体の蘇生 及び ダウングレードが可能です。このツールを準備しておくといざという時に復活の手段として使用することができます。
但し、必要な環境を整えるために Homebrew を実行可能な本体が必要です。
[ 必要なもの ]
- スペアのバッテリー
これを改造して使用します。改造したバッテリーでは通常モードの起動ができなくなるので、スペアを用意しましょう。
- スペアのメモリースティック Pro Duo
4GB 以下の物を用意します。Pro Duo のみです。
- システムソフトウェアバージョン 1.50 又は CFW 導入済みの PSP
バッテリーとメモステの改造に必要です。
1.50カーネルの Homebrew が動作する環境が無いとできません。
- 作業するための PC
Windows 2000/XP 推奨です。
[ インストール ]
- PANDORA'S BATTERY を ダウンロード してきて解凍します。解凍すると次のようなフォルダが出てきます。
pandora/
├ battery/
│ ├ pandora_battery/
│ └ pandora_battery%/
├ installer/
│ ├ pbfirm_install/
│ └ pbfirm_install%/
├ msinst/
│ └ msinst.exe
├ mspformat/
│ └ mspformat.exe
└ readme.txt
QJ.net さんからダウンロードした場合、解凍したフォルダ名が 14362_pandora になっていると思いますが、pandora にリネームしておいてください。次に、その pandora フォルダをハードディスクのルートディレクトリにコピーします。
- スペアのメモリースティック Pro Duo と スペアのバッテリー を装着した ( 1.50 又は CFW 導入済みの ) PSP と PC を USB ケーブルで繋ぎ、XMB から USB 接続します。
- PC 上からメモリースティックをフォーマットします ( クイックフォーマットではありません )。
- Winows 2000/XP の [スタートボタン] → [プログラム] → [アクセサリ] → [コマンドプロンプト] 又は、[スタートボタン] → [ファイル名を指定して実行] を開いて cmd と入力し [OK] ボタンを押すと、コマンドプロンプトのウインドが開きます。
C:\Documents and Settings\USERNAME の部分は現在のディレクトリです。
USERNAME は Windows へのログインアカウントです。個人個人異なります。
>の部分をプロンプトと呼びます。
pandora フォルダを C ドライブのルートディレクトリにコピーした場合は、
として、ディレクトリを移動します。入力するのは太字の部分のみです。
"\"マークは半角の¥を入力します。
pandora フォルダを D ドライブのルートディレクトリにコピーした場合は、
として pandora ディレクトリへ移動します。
次に mspformat.exe を使用して、メモリースティックを論理フォーマットします。オプションパラメータとしてリムーバブルディスクとしてマウントされたメモリースティックのドライブレターを指定します。ここでは M ドライブが PC にマウントされたメモリースティックのドライブと仮定して話を進めます。
mspformat ディレクトリへ移動します。
mspformat.exe を使用してメモリースティックを論理フォーマットします。
m はドライブレターです。「:」は不要です。各自環境によって異なります。
実行すると次のようなメッセージが出て入力待ちになります。
Y を入力して [ Enter ] キーを押すとフォーマットが始まります。
完了すると次のようなメッセージがコマンドプロンプトに表示されます。
コマンドプロンプトのウインドはまだ閉じてはいけません。そのままにしておきます。
- メモリースティック Pro Duo を抜いてから、USB 接続を切ります。
- 再びメモリースティックを挿入し、PC と USB 接続します。
- ms0:/PSP/GAME フォルダを手動で作成します。CFW を使用している場合は ms0:/PSP/GAME150 フォルダも作成します。
- pandora_battery フォルダと pandora_battery% フォルダ、pbfirm_install フォルダと pbfirm_install% フォルダを上で作成した GAME 又は GAME150 フォルダの中にコピーします。
- システムソフトウェアバージョン 1.50 のアップデート用 EBOOT.PBP を用意し、UPDATE.PBP とリネームしてメモリースティックのルートディレクトリにコピーします。
- この時点でメモリースティックの中身は次のようになっています( CFW の場合 )。
ms0:/
├ PSP/
│ ├ GAME/
│ └ GAME150/
│ ├ pandora_battery/
│ ├ pandora_battery%/
│ ├ pbfirm_install/
│ └ pbfirm_install%/
└ UPDATE.PBP
CFW の場合、GAME150 フォルダだけで GAME フォルダが無いと GAME150 フォルダの内容が認識できないかもしれません。
- メモリースティックを抜いてから、USB 接続を切断します。
- 再びメモリースティックを挿入し、XMB から Pandora's Battery Firm. Installer を実行します。
次のようなメッセージが表示されます。
×ボタンを押すとメモリースティックへのインストールが始まります。終了すると 10 秒後に XMB へ戻ります。
メモリースティックのルートディレクトリに msipl.bin というファイル名の IPL Block File が作成されます。
- 再び、PSP と PC を USB 接続します。
- msipl.bin を msinst.exe があるフォルダにコピーし、コマンドプロンプトから PSP MS IPL Installer ( msinst.exe )を実行してメモリースティックに IPL を書き込みます。
実行時、オプションパラメータとしてリムーバブルディスクとしてマウントされたメモリースティックのドライブレターと先ほど作成した IPL Block File のファイル名を指定します。
コマンドプロンプトのウインドに戻り、
と入力します。m は PC にマウントされたメモリースティックのドライブレターです。個人個人異なります。
すると、
というようなメッセージが表示され ( メモステの容量等によってメッセージは変わってきます ) 、入力待ちになるので Y を入力し、[Enter] を押します。
- すると、メモリースティックに IPL ( イニシャルプログラムローダー ) が書き込まれます。
すぐに終わります
コマンドプロンプトでの操作は終了です。
として、閉じておきましょう。
- メモリースティックを抜いてから、USB 接続を切断します。
- 再びメモリースティックを挿入し、XMB から Pandra's Battery Creator を実行します。
と表示されます。
念のため △ボタンを押して eeprom のバックアップをとっておきましょう。
バックアップをとり終ると XMB に戻るので、再び Pandra's Battery Creator を実行します。
今度は ×ボタンを押してバッテリーの eeprom を書き換えます。
と表示され、XMB に戻ります。
- 以上の手順で、"Magic Memory Stick" と "JigKick Battery" が作成されました。
[ 使い方 ]
- "Magic Memory Stick" を PSP に挿入します。
- 電源ケーブルを PSP から抜きます。
- "JigKick Battery" を PSP にセットします。
- PSP が自動的に起動し、メニューが現れます。
- このツールを使用しても IdStorage が破損したら修復することはできません。○ボタンを押して NAND のダンプイメージは必ず作成しておきましょう。ms0:/nand-dump.bin に NAND のダンプイメージが作成されます。
- 作成した NAND のダンプイメージを書き戻す際は、ms0:/nand-dump.bin を ms0:/nandimage.flash にリネームしておいてから□ボタンを押します。
- ×ボタンを押すと ms0:/UPDATE.PBP を展開して flash0 にファームウェアがインストールされます。
[ 注意点 ]
readme.txt の翻訳です。
- "Magic Memory Stick" の中にある 1.50 のシステムソフトウェアファイルは完全ではなく、最小のサブセットです。そのため、全てのアプリケーションが実行できるようなものではありません。
- "Magic Memory Stick" を作成できるのは メモリースティック Pro Duo のみです。32MB のメモステは Pro Duo ではなく Duo なので使用できません。
- IdStorage は適切に修復する方法が知られていないため、完全に復元することはできません。
- ダウングレードを行う前に NAND Flash の内容をダンプしてバックアップしておくことを強く推奨します。
- ダウングレード直後は、他のダウングレーダーと同様に設定ファイル破損の青画面 ( BSoD ) が表示されます。
- 現時点で知られているハードウェアリビジョンに対応しています。
- このツールには Sony の著作物は含まれておりません。必要なデータは 1.50 のアップデートファイルから生成します。
[ 関連記事 ]
Pandora Battery tool for 3.xx kernels
ちなみに、rowa の互換バッテリーで実行してみたらエラーが出てうまくいきませんでした。EEPROM の書き換えを行いますし、純正じゃないと無理なのかな・・・。
USB 接続を切る前にメモステを抜かなければいけないかどうかは不明です。少なくとも readme には抜いてから接続を切れと書いてあるような気がします。
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ということで駄文ですが、せっかくなのでちょっと試してみました。
3.52 M33-4 が入った TA-086 の PSP の 0x005 を Chilly Willy 氏の IdStorage Manager 1.1 を使用して正常値に書き換えてみました。書き換え終了後、IdStorage Manager を終了すると普通に XMB に戻るので、M33 は Brick しないのかな?とか、正常値に書き戻されていないのかな?と思い、IdStorage を吸いなおしてみると正常値に書き戻されていることが確認できました。
そのまま、とりあえず電源を切ってみると・・・・brick しました。
電源入れても何も映りません。
そこで、今回作成した Pandora's Memory Stick を挿入し、Pandora's Battery を装着したところ何の問題も無くメニューが表示されました。UPDATE.PBP を実行し、1.50 のインストールを試みると IdStorage にパッチを当てろと言われました。ダウングレーダーと同じく必要であればパッチを当てるようにメッセージが出るのですね。
1.50 のインストールは何の問題も無く普通に終わり、Readme にもあるように BSoD は出ましたが普通に復活できました。
その後、再び 3.52 M33 → 3.52 M33-4 とインストールしてから、再び IdStorage Manager を使用してキーを吸い出してみたところ、0x005 は最初の1バイトが 0x67 → 0x4B と変更されていました。これは Noobz チームの 3.50 ダウングレーダーと同じ変更ですね。
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